事務室で保管する文書のことを保管文書といいます。これをどこに集中し,どこが管理するのか,この管理する単位が「保管単位」です。
さて,保管単位の大きさについて考えてみましょう。下図を参照してください。
まず,各担当者が文書を持つと,個人的な便利さは最高になります。しかし,組織全体の管理面からみると,問題が大きいのです。反対に,文書の全庁的な集中化を図ると,管理上の束縛は最高になりますが,担当者は不便で,仕事がしにくくなります。
このように,保管単位を小さく個人的にすると,便利度は最高ですが管理の行き届く程度は最低となり,保管単位を大きく全庁的にすると,個人的な便利さが最低で管理度が最高となります。
そこで,私物化にもならず,管理も行き届き,しかも整理・保管の持続が図れて,それほど不便でもない程度の,個人と全庁との中間の「課」を保管単位とします。
自治体では,職場の単位として最も多く利用されるのが課であり,課を単位として行動することが多いので,比較的まとまりやすい単位といえます。また,一口に課といっても,非常に大所帯の課とこじんまりした課がもありますが,「AKF」では,課の大きさに関係なく一つの保管単位として考えます。
特殊なケースとして,課の中の一部の係が,本来の課とは離れた別な場所で事務を執っている場合には,例外的に保管単位を分けることもあります。課に所属する出先機関がある場合にも,出先機関は,独立した保管単位とします。
なお,「AKF」に関するすべての作業は保管単位ごとに行いますので,その際に取りまとめ役となるファイル責任者とファイル担当者は保管単位ごとに置きます。