1. モデルブロックの導入
全庁的に「AKF」の導入を行う前に,まず試行的にモデルとなる課を選び,先行導入します。これは,文書主管課にとっては,テストケースになり,職員に対してはデモンストレーションになります。
したがって,モデルブロックの各課は,必ず成功させなくてはなりません。そのための注意点は,
- 最も成功しやすい課を選ぶこと
- モデル課を必要以上に多くしないこと(課の数はともかくも50人を限度とする。)
- 各部を代表して1課ずつ選ぶような方法は採らないこと
- 大所帯の課を選ばないこと
などがポイントになります。
モデルブロックは成功させることが絶対条件ですので,あえて困難が予想される課を選ぶ必要はありませんし,冒険をする必要もありません。
2. モデル課の選定
それでは,具体的にどのような課を選んだらよいのでしょうか。一般的に,モデルブロックを成功させるためには,次のような課を選定するとよいと言われています。
- プロモータ自身の所属課(文書主管課)
- 改善や新しいものに意欲的な課長又は係長のいる課
- プロモータと個人的によい関係にあって,ムリを聞いてもらえる職員のいる課
これらの課のほか,静岡県のS市では,次のような明確な意図のもとにモデル課を選びました。
- コンピュータを管理する情報管理課(「AKF」支援システムを考慮)
- 実施計画を所管する企画課(「AKF」の継続性を考慮)
- 予算を担当する財政課(予算措置を考慮)
- トップ直属の秘書課(トップの理解を深める。)
- 一般廃棄物を所管する衛生課(廃棄文書処理への協力を求める。)
S市のこうした例には,プロモータの並々ならぬ意欲と配慮が感じられます。また,従来,図面や設計書等フォルダに収納できない文書の多い事業課はモデル課に入れないことが多かったのですが,北海道H町では,モデル課に建設課を入れて成功しました。総務課と同じフロアにあるという場所的な好条件もありましたが,管理職をはじめ,課をあげての積極姿勢が買われてモデル課入りとなりました。その結果,とかく抵抗感の強い工事文書のファイリングについて,後続の事業課に対してよい成功例を示すことができました。
この他,モデル課に議会事務局を入れた自治体もありました。議員の理解を求めるためです。しかし,これらはあくまでもできればということであって,成功させることのできる課を優先します。実際には,総務部や企画調整部の中から選ぶ自治体が多いようです。