「AKF」に切り換えるときには,次のような手順で行います。つまり,
- 切換え対象文書の確認
- 簿冊のバラシ
- 小まとめ(個別フォルダ化)
- 中まとめ(第2ガイド化)
- 大まとめ(第1ガイド化)
- 課としてのまとめ(序列(業務プロセス式水平分類)化)
- 課としての序列(業務プロセス式水平分類)の試行と修正
の順です。この作業は,いわば文書分類づくりの実務といえる部分です。
1. 切換え対象文書の確認
1. 文書の年度による区分
- まず,簿冊のまま,各文書を前々年度以前文書,前年度文書,現年度文書に分けます。1冊の簿冊の中に数年度分の文書があるときは,年度別にバラします。
- 前々年度以前の文書は,不要なものを廃棄した後,保存期間を決めて書庫に収めます。この際,「『AKF』導入前ファイル基準表」を作ります。なお,同表の記入方法に係る通知文例,同基準表の様式例を用意しておきましたので,参考にしてください。
- 一般に,現年度文書は,とりあえずそのままにしておいて,先に前年度文書を対象にして分類します。前年度分の分類作業が合格と認められたら,前年度分を参考にしながら現年度文書を分類します。導入時期が年度末に近い場合には,現年度文書を対象にして分類します。
2. 文書のサイズがフォルダ化に適さない場合の取扱い
- どうしてもフォルダ化できない簿冊・図面・カタログ・資料・伝票・カード・コンピュータアウトプット類は,これまで使っていた専用容器・用具を活用します。ただし,背の高い保管庫(3(サブ)×6(ロク)保管庫)は,使いません。
- これらの文書の収納場所は,はっきりと表示しておきます。むろん,その場所は,所在カード(リンク)に書いて個別フォルダの中に身代わりとして収めます。
2. 簿冊のバラシ
- 簿冊形式の文書つづりを,1冊ずつバラしていきます。
- バラした文書を点検して,廃棄すべきものが残っていたら捨てて,残った文書を(3)以下の要領でツミアゲていきます。
3. 小まとめ(個別フォルダ化)
- バラした文書を,共通性のある文書同士,関係深い文書同士,そして同じ業務に使う文書同士をまとめて小まとめとし,個別フォルダに収めます。
- フォルダの山に,その中に入れた文書を代表するタイトルを,仮に鉛筆で書きます。
- その際,1フォルダ内の文書の枚数は,50±30枚とします。80枚を上限とし,これを超える場合には,分冊します。また,20枚を下限とし,20枚未満の場合には,他のフォルダと合冊します。
- フォルダ化できる簿冊は,すべて残さずバラします。
4. 中まとめ(第2ガイド化)
簿冊をフォルダ化したら,
- 共通性や関連性のある個別フォルダをまとめて中まとめとし,第2ガイドを立てます。
- ガイドラベルに仮のタイトルを鉛筆で書きます。
- 第2ガイドの下の個別フォルダの冊数は,10±5冊とし,5冊から15冊までの範囲内で管理統制します。
5. 大まとめ(第1ガイド化)
- 共通性や関連性のある第2ガイドを集めて大まとめとし,第1ガイドを立てます。
- ガイドラベルに,仮のタイトルを鉛筆で書きます。
- 第1ガイドの下の第2ガイドは,5±3を原則にします。
- 中まとめの第2ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)をよく検討します。
- 大まとめの第1ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)も検討します。
- 必ずしも,使用頻度順に並べるのではありません。
- 自分だけ理解できる主観的,個人的な理由ではなく,課の共有文書としてだれにでも共通理解できる,客観性のある理論に裏打ちされた序列(業務プロセス式水平分類)を作ります。
ここまでが,個人作業です。
6. 課としてのまとめ(序列(業務プロセス式水平分類)化)
- ここからは,保管単位である課の管理下に置かれた文書を,課としてまとめる作業です。その際,ファイル責任者とファイル担当者とがリーダーシップを発揮します。
- 課として第1ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)は客観的になっているか,同じく第1ガイドの下の第2ガイドの序列(業務プロセス式水平分類)はどうかを検討します。なお,第2ガイドの下の個別フォルダの順番は考える必要はありません。
- この課としての序列(業務プロセス式水平分類)づくりは,よい整理・よい管理を長続きさせるためにも,とても重要です。
7. 課としての序列(業務プロセス式水平分類)の試行と修正
- でき上がった分類を全員で検討してみます。よい分類かどうかは,使ってみて分かることです。しばらく試行期間をおいて実際に使ってみます。その間,使いやすいようにガイドの序列(業務プロセス式水平分類)を修正したり,分かりやすいタイトルに訂正したりします。修正・訂正しては使ってみて,使ってみては直すのです。この試行錯誤を繰り返し行うことで,徐々に各課の実務に即した分類体系が構築できます。
- 個別フォルダ名,ガイド名は,鉛筆書きですので簡単に直せます。少しでも検索しやすいタイトルにとりあえず直してみます。少しくらい汚れても構いません,いずれ,上に色ラベルをはってしまうからです。
- この時点で繰り返し修正を加え,職員の意見を聞いて十分検討しておくことが大切なのです。