分類の実際

Q3:文書分類を課全体でまとめるには,どうしたらよいですか。

文書は,定められたキャビネットの引き出しの順に従って,次のような業務プロセス式水平分類の順に収めていきます。

  1. 翌朝フォルダ
  2. 全庁共通文書
  3. 本務文書
  4. 様式

の順が原則です。これをもう少し詳しく説明します。

1. 翌朝フォルダ

翌朝フォルダとは,当日中に正式なフォルダを作成できなかった文書を,いわば緊急避難的に収納するフォルダです。ですから,この翌朝フォルダには,懸案文書・進行中文書・仕掛り中文書・立案中文書など,やりかけの仕事の文書は入れません。これらは,個別フォルダにタイトルを書いて,分類体系に組み込みます。

この翌朝フォルダは,常に課のキャビネットの最初の引き出しを定位置とします。また,この翌朝フォルダと一緒に退庁時に自分のところで留まっている「決裁途中文書」「回覧中文書」も収納します。

なお,「決裁途中文書」「回覧中文書」を決裁・回覧するときには,決裁板を使わず,例えば,決裁文書は「青色フォルダ」,回覧文書は「緑色フォルダ」に挟んで回します。

2. 全庁共通文書

全庁のどの課も共通して利用,保管している文書があります。これを全庁共通文書といいます。課の本業,本務に属する文書ではなくて,むしろ庶務的な文書で,原則的にはどの課でも使っている文書です。このように,各課が同じ文書を同じように使っている文書は,各課とも同じ分類によって整理された方がよいでしょう。したがって,あらかじめ統一した分類基準として,「全庁共通文書分類」を定めるのが普通です。他の本務業務に直接的に関連し,使用している本務文書とは,明確に区分します。全庁共通文書の性格からして,本務文書よりも前に位置付けるのがよいでしょう。

3. 本務文書(全般的文書)

これ以降は,課の本業・本務文書を並べます。そのうち,業務全体にまたがるものを先に配列します。

例えば:

  • 課の庶務的文書及び本務に関する方針,計画などの文書
  • 本務に関する法規,通達,マニュアルなどの規範的文書
  • 本務に関する関係官公庁,関係団体,関係会議,審議(査)会,協議会などの文書

などがそうです。

4. 本務文書(個別的文書)

課の本業・本務文書のうち,個々の業務に直接関係する文書を並べます。文書量は多量にあって,しかも頻繁に利用するのが本務文書です。

人事業務を例にすれば:

  • 採用
  • 任免
  • 配置
  • 服務
  • 研修
  • 給与
  • 福利厚生

などに関する文書がそうです。

5. 様式

文書の後に,様式を並べます。未記入の様式は文書ではありませんが,ここに文書の水平分類にあわせて並べておくと,様式をサッと取り出すことができます。なお,来庁者用の様式については,カウンターの下にレターケースをはめ込み,その中に入れておく場合もあります。来庁者を待たせないためですが,記入済みの文書が紛れ込まないように注意をする必要があります。

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