ファイリングシステムの方法と容器用具
ファイリングシステムの方法には,文書を整理する容器用具によって,従来からの簿冊式整理法と,バーティカルファイリング法とがあります。
簿冊式整理法は,とじ具を使って文書をつづった簿冊を本棚や保管庫などに並べる方法を言います。簿冊は,使うとじ具によって,さまざまな名前が付けられています。例えば,ビニール製のものを使うフラットファイル(レターファイル),鉄製のものを使うバインダー(厚ファイル),とじひもを使う板止めなどです。いずれの簿冊も,背見出しに幅があり,そこにタイトルを書きます。
一方,バーティカルファイリング(verticalfiling)法とは,キャビネット式整理法ともいわれ,文書をフォルダ(folder)などの紙挾みに挾み,キャビネット(cabinet)という箱状の文書整理タンスの引き出しに,カードのように立てて並べる方法を言います。 ここでは,保管文書の整理方法として最も適切なバーティカルファイリングについて解説しています。
ファイル容器用具のメーカーの調査方法
オフィス家具メーカーであれば,ほとんどのメーカーで取り扱っています。例えば,ITO,イトーキ,内田洋行,オカムラ,キングジム,くろがね,コクヨ,プラス,ライオン(五十音順)などですが,商品カタログなどで,それぞれのファイリング容器用具について調査します。不明な点があれば,所管の営業所に問い合わせれば,相談に応じてもらえます。
ファイル容器の調査方法
キャビネットは,標準型とラテラル(横型)型がありますが,どちらのタイプを選定するかについては,メーカーの選定以前のことであり,できれば,それぞれのタイプのキャビネットを使っている自治体の状況を調べることが手っとり早い方法です。個別フォルダが収納された状態で比較するとよいでしょう。いずれかのタイプのキャビネットに特定した上で,どこのメーカーの製品を採用するかを考えます。
なお,ラテラル型の場合には,各メーカーでいろいろな種類の製品を取り扱っていますので,すでに導入済みの自治体から様子を聞いて参考にするとよいでしょう。また,東京や大阪には,メーカー各社のショールームがありますので,いくつかのメーカーのショールームを回って比較する方法もあります。その結果を導入推進組織に諮って最終決定をしてもよいと思います。
このような作業をしておくことは,購入後になって,どのような選定をしたかを,各方面から聞かれたときの説明材料にもなります。導入後,維持管理しているいくつかの自治体に聞いてみて,どこの自治体も同じメーカーのものを使っていれば,一応,安心できるメーカーと考えてもよいでしょう。いずれにせよ,容器については,一度入れたらタイプにしろメーカーにしろ,変更しない方がよさそうです。
ファイル用具の調査方法
ファイル用具については,できるだけ見本を取り寄せるとよいと思います。メーカーに依頼すれば,見本を提供してもらうことができます。カタログだけで比較するのは好ましくありません。
特に,個別フォルダと第1ガイドや第2ガイドは,ファイリングシステムにおける主要な用具ですので,使いやすい製品を選びたいものです。価格よりも品質を優先させるべきでしょう。