市販品の文書保存箱には,いろいろな項目について記載ができるようになっており,しかも,いくつもの面に表示できるようになっています。しかし,自治体専用の文書保存箱を作る場合には,文書保存箱の側面の表示に関しては,余分なことを一切書く必要はありません。例えば,○○課の文書の入った箱とか,○○文書の入った箱というように具体的に表示しないのです。
表示する必要があるのは,
- 保存年限(永年,10年,5年,3年の表示)
- 整理番号(文書主管課の付ける全庁的整理番号で,検索のための番号)
程度で十分です。これを棚に置いたときに前になる側面のみに表示します。文書保存箱には,必ずしも,同じ課の文書だけが入っているとは限らないので,課名も表示しません。むしろ表示しない方が,機密保持の点からも好ましいわけです。また,職員にとっても,大量の文書を文書主管課に引き継ぐ際に,保存箱への記載項目が少なければそれだけ作業の負担が軽くて済みます。こうした記載事項を絞り込む考えは,当初民間企業が考案したものですが,今では広く自治体で採用されています。
なお,ファイリングシステム導入前の文書庫を整理する際に,既に文書保存箱に収納して保存している場合には,不要文書の廃棄などで箱の入れ替えを行うようになりますが,その場合には,表示した紙を上にはって箱を再利用します。市販品の文書保存箱の在庫が大量に残っている場合も同様です。