キャビネットの配置の仕方
保管単位を「課」とし,文書を集中管理するためには,キャビネットを個人や係ごとに分散して配置してはいけません。課として,総合的に判断して,最もよい位置にキャビネットを集めて管理します。文書の私物化を物理的に排除する意味からも,重要なことです。ファイリングシステムを導入している自治体では,事務室の状況に応じて窓際や壁際に置いたり,隣の課と背中合わせにキャビネットを置いたりしています。キャビネットを課の中心に半分ずつ背中合わせに並べ,その両側に各係の島を作る方法は,課を分断してしまうので,できれば避けたいものです。
課内でもキャビネットに近い係と離れた係が出ますので,文書が遠すぎるというようなことが言われることがありますが,さほどの距離の違いではありませんし,1日にキャビネットまで往復する回数は数えるほどしかなく,慣れてしまえばあまり苦にはならないはずです。
キャビネットの使い方
キャビネットの上は,高さ的にも,広さ的にも物を置きたくなる場所ですが,一切,物を置きません。また,キャビネットの引き出しには,使いやすい上段によく使う現年度文書を,下段に使う回数の少ない前年度文書を入れ,引き出しごとにラベルを付けます。ラベルは,現年度は白色で,前年度は青色というように年度で色分けし,その引き出しに入っているすべての第1ガイドの名称を書きます。
なお,課に置くキャビネットや保管庫の数量は,文書主管課が,保管単位の文書量を調査して決定します。したがって,各課が独断でキャビネットを購入したときは,撤去することもあります。
キャビネット内に余分な空間があると,文具類や私物が入ったりしがちですが,それを防ぐためにも,必要以上のキャビネットを置かないようにします。標準型のキャビネットの場合,1段に1枚ずつ仕切板を入れ,文書が倒れるのを防ぎます。