現在,保有している文書を大きく分けると,
- 書庫の中に保存してある文書
- 書庫に入れるべき文書であるが,事務室内やその近辺の雑庫に置いてある文書
- 過年度の文書も含め,簿冊で現在活用中の文書
の3種類になると思います。
これらの文書の量を事前に調査することは,現状を理解したり,導入後と比較する資料として残すために必要かもしれません。ただ,この事前の調査にあまり手間を掛けることは,避けたいものです。また,この調査をコンサルタントに委託するのも避けるべきです。調査したところで,「AKF」を導入すれば,どうせ約半分は廃棄してしまう文書だからです。
なお,什器メーカ附属コンサルタントの中には,コンサルタント料の中に,文書量調査のための費用を要求するところもあると聞きますが,心して付き合うべきです。何故なら,文書管理改善をすると,保有文書の5割は廃棄,3割は書庫に引継ぎ,2割は執務室保有になるという,「5:3:2原則」があり,敢えてこの調査に金をかける必要はないからです。既知の事がらなのに,調査費用を支払ってまでも,什器メーカを各執務室に入れさせて,これから売り込む対象ともなる什器の調査をさせるには,相当の根拠が必要ではないでしょうか。
それでも調査を行うのであれば,各課と文書主管課が協力して行うこととし,あまり細かな項目に分けての調査はせず,各課で文書を積み上げるとどのくらいの高さになるかを調べる程度にします。高さが1メートルの場合,私たちはこれを1Fm(ファイルメータ)と呼びます。約10,000枚に相当します。
調査するに当たっては,簿冊を1冊ずつ計る必要はなく,保管庫の1段当たりの幅に段数を掛けた長さを保管庫1台の文書量とする程度の概数で構いません。調査の結果は,各課から期限を決めて文書主管課に提出してもらいます。
このような文書量の調査結果は,もちろん資料になりますが,これに必要以上の労力を掛けることは避け,むしろ,これから始まる「AKF」導入の一連の作業の方に力を入れるべきです。
なお,「AKF」導入時には,事務室から大量の引継文書が発生し,それを収納する場所が必要になります。次週は,書庫を整理する際のポイントについて説明します。