文書主管課は,各課が第1回実施指導を受けられる状態になるまで見守る必要があります。その間に行うべきことは,次のようなことです。
1. 導入各課から提出される作業スケジュール予定表の受理
専門研修の際,ファイル責任者に作業スケジュール予定表の提出を求め,これを期限までに確実に提出させます。
作業スケジュールに無理がないか,また,所属長の確認が取ってあるかをチェックします。
2. 廃棄文書の処分
不要文書の廃棄については,各自治体においてルールを定めているはずなので,それに沿って処分します。廃棄する文書の量が通常では考えられないほどの量であることが多いので,一般廃棄物主管課(衛生課など)の協力が必要な場合もあります。
どのくらいの文書を廃棄したかを記録に残しておくとよいでしょう。廃棄文書の一時保管場所は,文書主管課で確保します。適当な場所がない場合には,公用車の車庫などを使用した自治体もあります。
廃棄文書の中に,歴史的・学術的・文化的な文書(アーカイブズ)が含まれていることもありますので,公文書館・市町村史編さん部門・資料館・博物館などの職員に,再度廃棄すべき文書かどうかを確認してもらいます。
3. 文書の引継ぎ
前々年度以前文書で廃棄できない文書は書庫に収めますが,そのための文書保存箱と「AKF」導入前ファイル基準表を文書主管課で用意します。
文書保存箱は,早めに引き継いで,書庫へ収めた方がそれ以後の作業がやりやすくなります。
4. 鋼製保管庫などの撤去
文書の私物化排除や執務環境の整備のため,背の高い鋼製保管庫,脇机,2段キャビネット,机下の本棚,机上の本棚・本立・レターケースなどは撤去しますので,その移動先が必要になります。そこで,文書主管課では,一時保管場所(空いている車庫など)を確保し,あらかじめ導入各課に周知しておきます。
撤去した鋼製保管庫の中には,必要に応じて再配分するものが出てきますので,1か所にまとめて保管しておきます。
5. オフィスレイアウトの改善
導入各課では,見通しのきくスッキリとした執務環境を作るよう,オフィスレイアウトの改善を行います。文書主管課では,背の高い保管庫や脇机などが残されているなどのルール違反があれば,撤去することを勧めます(無理をせずに,専門アドバイザーに任せる場合もあります。)。
レイアウトが決まらず,困っているような課があれば,文書主管課がアドバイスをすることもあります。
6. ファイル容器・用具の配布
キャビネットの配布 不要文書の廃棄,不要保管庫等の撤去が終わると,すぐにキャビネットが必要になります。したがって,文書主管課は,タイミングよくキャビネットを配布する必要があります。 その際,各課の要求した数でキャビネットを配布するのではなく,まず,必要最小限の数を配布します。 一般的には,一人当たりの適切な文書量を1.2~1.5Fm程度として,必要なキャビネットの本数を割り出します。初めは,少なめに配布するとよいでしょう。後で,各課の実態を把握して,少なかったら追加し,多かったら引き上げます。
ファイル用具の配布 キャビネットと同時にファイル用具を配布します。個別フォルダ,やりかけフォルダ,第1ガイド,第2ガイドなどです。 なお,フォルダラベルとガイドラベルは,実地指導で合格か仮合格が出なくては,配ることができませんので,切換え作業のときには配布しません。
7. 切換え作業全体の応援
上記の作業中に導入各課が人的な応援を求めてきた場合には,文書主管課では極力応じるように努めます。ただし,文書主管課主導で行うのではなく,フォローする程度にとどめます。
各課の作業が夜間や土曜日・日曜日に及ぶような場合には,文書主管課の職員が最低一人は待機するようにし,いろいろな問い合わせに応じるようにするとよいでしょう。
状況によっては,鋼製保管庫や不要文書の撤去の際のトラック,台車,あるいは不要文書を入れるコンテナを用意する場合もあります。