「AKF」が目指す自主管理への道

Q3:自主管理を行っている自治体での,実地指導の進め方の実例を紹介してください。

熊本県のある市での自主管理による実地指導の進め方を紹介します。

1. 実地指導の態勢

  1. 前期は,文書管理委員3名,総務課職員1名の計4名で班を編成。後期は,コンサルタントも加わって行う。
  2. 指導は,文書管理委員が行い,総務課職員はサポートする。指導の記録は,総務課職員が行う。
  3. 午前と午後それぞれの実地指導前に打合せを行い,指導終了後に評価(ランク付け)を行う。

2. 指導の事前準備

  1. 実地指導を行う課の「前年度ファイル基準表」に目を通し,気になる箇所をチェックしておく。特に,「継続フォルダ」の見直しに留意し,継続の必要性に関し疑問に思うフォルダがあったら,実地指導の際にそのフォルダを出してもらい確認する。担当者から説明を聞いて,引き続き継続にすべきかどうかを共に考える。
  2. 委員は自分が担当する課の前日の退庁時の執務環境を見ておく。

3. 指導の順序

  1. まず,主担当文書管理委員1名が,その課のファイル担当者が読み上げる前回の「改善結果報告書」を見ながら,前回の指摘事項が改善されているかどうか,現場で一つ一つ確認する。
  2. 次に,主担当文書管理委員1名が,執務環境を見て回る。
  3. 主担当文書管理委員が1.,2.をしている間に,残りの文書管理委員は,今回の指導事項チェック表を使い,キャビネット内を確認する。問題のあるフォルダには付箋を貼っておく。
  4. キャビネットの中の1箇所(問題箇所を中心に)をじっくり見て,担当職員と話し合いながら改善する。
  5. 時間があれば,別室の確認を行う。
  6. 指摘事項の改善期限を,その課で決めてもらう。1週間以内が標準。
  7. 最後に,講評をする。文書管理委員全員と総務課職員が気づいたことを述べる。

4. 指導上の注意点

  1. 指摘するときには,大きな声で,課の全員に呼びかけるようにする。
  2. 指導は,一元的に行う。複数の者が,あちこちで指導しない。
  3. 指導時に,文書管理委員は,次の文書を手元に持っている。
    ア 前回の改善結果報告書
    イ 今回の指導事項チェック表
  4. できるだけ問題はその場で解決するようにする。文書管理委員とその課の職員とで一緒に考えて,改善のための具体的なかたちを作り出す。 「原則から外れているから,改善してください」と言うだけでは,「それでは,どうしたらよいのか」という不満が残る。どうしてもその場で解決できない問題は,指導後,文書管理委員会で検討するか,又はコンサルタントに相談してから通知する。

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