「AKF」が目指す自主管理への道

Q4:これまでの先進自治体で,自主管理に入った事例を紹介してください。

静岡県のある市の自主管理事例を紹介します。同市は,コンサルタントを活用して「AKF」を構築しています。具体的には,平成6年から平成7年にかけて全庁導入をし,平成12年まで年2回の維持管理を実施しました。職員の「AKF」に対する理解度と実践度が相当程度に高まっているのを確認出来たので,同市は予定より早く自主管理に移行することを検討し,平成10年に内部職員による文書管理委員会を設置しました。その際,コンサルタントは,文書管理委員会による指導の実効性を高めるため,職員に対する個別具体の指導根拠及び指導方法等に関するノウハウを,文書管理委員に公開し解説しました。

以下,自主管理の実践事例を,文書管理委員会の動きを中心に説明します。

  1. 平成11年・12年の2年間,前期と後期の年2回,文書管理委員はコンサルタントの実地指導に同行し,指導根拠と指導方法等を学んだ。
  2. 平成11年度の同行では,各保管単位(課)の実地指導の最後の講評時に,文書管理委員が気づいた点を指摘した。指摘は主に執務環境に関するものであった。
  3. 平成12年度の同行では,文書管理委員が,執務環境だけでなく,キャビネットの中についても指摘するようにした。
  4. 13年度前期は,はじめて文書管理委員会による自主管理を行った。心配された職員間の「摩擦」も発生することなく,各保管単位の協力を得て行われた。
  5. 13年度後期は,コンサルタントと文書管理委員とが協力して実地指導を行った。
    具体的には,はじめに,コンサルタントが前期の指摘事項の改善状況の報告を受け,次に,机の中の確認を行った。その間,文書管理委員2名と文書主管課職員2名がキャビネット内を確認し,特に,当該期の重点項目である「数のコントロール」「継続フォルダの適正な扱い」「様式の適正管理」を確認した。コンサルタントによる机の確認が終わった後,文書管理委員と文書主管課職員が,キャビネット内の確認結果を指摘した。その後,コンサルタントによって,問題のあるフォルダや業務プロセス式水平分類の指導を行った。
  6. このような「前期は自主管理による実地指導,後期はコンサルタントと共同の実地指導」方式を15年度まで行った。
  7. 16年度から22年度まで,前期後期とも自主管理による実地指導を行ってきたが,実地指導時に指導の難しいところや懸案事項のあるところを解決するために,前期1日,後期1日,コンサルタントの指導を受けた。
  8. これまで構築してきた「AKF」が,公文書管理法のモデルになったのを機に,法が施行された23年度を原点回帰の年とするため,全課に対してコンサルタントによる実地指導を受けた。

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