廣田理事長,毎日新聞で「随時ファイル方式」に理解を求める

2012年4月 1日

毎日新聞は,公文書管理に係る特集を2週連続で組んでいます。3月24日は「公文書管理法 進まぬ行政の理解」,31日は「議事録の未作成 概要で幕引きか」。31日の紙面には,廣田理事長のコメントが登載されています。

 

廣田理事長の話によれば,取材は国会内で1回と日本記者クラブで1回受けたそうですが,話した内容は概ね次のとおりだったと記憶しているとのことでした。

 

「メモは,すぐに作ることができ,備忘録替わりにもなるので,職員にとって有用であり,多用している。国民にとっても,政策立案過程を知る上で有用だ。もっと残して活用されて良い。

 

ところで,メモも文書も,問題解決に役立つ知識を記録した情報資源である。文書の適正管理の観点からは,メモは文書と一緒に整理されるべきである。問題は,整理の仕方にある。

 

行政文書管理ガイドラインは,整理の仕方を規定している。まず「職員」に文書の適正管理の義務を課し,具体的に分類や名称付けなども義務とした。整理の仕方だが,文書のまとめ方として次の二つを例示した。

一つは,文書を作成又は取得した段階でまとめる「随時ファイル方式」で,もう一つは,旧来からの方法だが,一定の事案が完結した段階で,メモにもパンチで穴を空けでバインダーに綴るという「事案完結ファイル方式」である。

ガイドラインは,迅速な所在・検索や,効率的な整理・保存の観点から「随時ファイル方式」を推奨した。この方式の欠陥は,ファイリングキャビネットという文書整理タンスが要ることだが,既になくてもやれる方法がADMiCにおいて研究開発されている。随時ファイル方式ならメモも残るが,事案完結式では紛失したり廃棄されたりする懸念が残る。

 

職員は,随時ファイル方式を活用して名称を付ける過程で,仕事の見える化を確保し,情報の過不足もチェックして,意思決定の判断材料である情報をフル装備して活用することで,政策課題の最適化を図ることができる。分類結果を目録である行政文書ファイル管理簿に記載することで国民も文書にアクセスし易くなり,健全な民主主義を支えることにもつながる。

 

「随時ファイル方式」なら,行政と国民がWin-Winの関係になる。行政文書管理ガイドラインの策定趣旨はここにある。生かされているだろうか。生かすためには,「随時ファイル方式」を義務規定にすべきであろう。」

 

 

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