新潟県佐渡市で放鳥された国特別天然記念物トキのひなが誕生したことが確認されました。日本の自然界では36年ぶりの孵化(ふか)であり,日本の野山から一度は姿を消したトキの野生復帰に向けて大きな一歩となります。佐渡市役所では,「トキよ大空へ 祝 放鳥トキのヒナ誕生」と書かれた懸垂幕が掲げられ,甲斐元也市長は「誕生の知らせを聞いたときは天にも舞い上がる気持ちだ」と述べています。
なお,トキ(朱鷺)はADMiCの象徴であり,古代エジプトのトート(Thoth)神の象徴でもあります。トート神は,文字(ヒエログルフ)の発明者とされ,人の言葉をすべて記録して文書にしたといわれています。神々の書記でもあったので,知恵と知識の守護神として信頼されていました。トキの学名は「ニッポニア・ニッポン」であり,“Nipponia nippon”の属名と種小名はともにローマ字表記の「日本」に由来します。