文書を1枚も捨てずに,用具革命で50%削減保証!
廣田傳一郎編著・江川毅著 (第一法規・2018 年)
庁舎建設担当から文書を減らせと言われ悩んでいた吉田文書係長は,ファイル用具を簿冊からBSフォルダに切り替えると50%の文書を削減できることに気がついた。しかし,それだけだと必ずリバウントしてすぐに元に戻ってしまうとのアドバイスを受け,文書削減の効果を一過性で終わらせないために,行政文書管理ガイドラインのモデルとなったAKF(行政ナレッジファイリング) の導入を進めることにした。その結果,執務室にあった文書保管庫が27台から6台に減り,文書の大幅な削減に成功した。
翌年,課長からの指示で,その方法を新人職員の坂崎くんに説明することになったのだが・・・。
※本著は,吉田係長と坂崎くんの会話形式によって構成されています。
坂崎くん:
ふ~ん。でも係長は,本当にこれで文書を50%削減できる,って思ったんですか?
吉田係長:
どういう意味?
坂崎くん:
だって,それに抵抗する職員だってきっといるだろうな,って思いますけど。
吉田係長:
確かに。僕もそこのところが一番悩ましかったんだけど,それがあるとき,できる,っていう確信に変わったんだよ。
坂崎くん:
えっ,何があったんですか?
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◆目次◆
Hello Open Filing,Goodbye Cabinet!
1 事務室の文書を50%削減せよ!
01:27台あった保管庫がたった6台になった
02:文書の50%削減は改善目的にならない
事例報告 Ⅰ=島根県隠岐の島町のAKF導入の経緯
2 最適的な改善手法を評価選別せよ!
01:分類のコツは,分類の配列の工夫にある
02:秒単位の「検索」の改善が,億単位の経費節減になる
事例報告 Ⅱ=北海道池田町のAKF導入の経緯
3 事務室環境を改善せよ!
01: 机の使い方にもルールがある
02:事務室から8割の文書を追い出す
03:年度末に行う文書の棚卸。これをやらずに新年度は迎えられない
4 分類を実践せよ!
01:文書はできるだけ速やかに取り出せるように分類する
02:分類成果の検証は,達成度確認で客観的に実施する
03:翌朝フォルダに文書をため込んではいけない
5 ファイル基準表を活用せよ!
01:管理原則,管理ルールと運用ルール
02:文書のライフサイクルの管理はファイル基準表で行う
03:ファイル基準表の記載は担当者自身が行う
04:書庫は総務課が集中管理する
05:ファイル基準表は現状を二度記載する
6 書庫の検索性を確保せよ!
01:書庫での保存文書の検索のしかた
02:書庫内の保存箱の並べ方,フリーロケーション
03:保存箱は,フタを通路側に向けて置く
04:保存箱はあえて特注するという選択肢もある
05:保存箱には作成年度と保存期間が同じ文書を収納する
7 ファイルサーバを管理せよ!
01:ファイルサーバの中って,どうなってる?
02:一昔前の電子文書の管理の方法は,カオスだった
03:課名や年度はどこに置くのがベターか?
04:電子文書の保存期間をどう管理すべきか?
05:電子文書自体にもある固有の課題
8 アーカイブズは職員自ら評価選別せよ!
01:アーカイブズの基になる資料って何?
02:そもそも評価選別は誰が行うべきか
03:評価選別の新たな指標,内と外って何だ?
04:ファイル基準表を使って評価選別をしてみよう
05:業務全体から評価選別するってどういうこと?
06:評価選別した理由も残しておこう
9 最適的なファイル用具を選別せよ!
01:坂崎くんの大発見 文書を捨てなくても文書を減らせる?
02:削減とは,究極的には文書の占める床面積を減らすこと
03:職員の「使いやすさ」を第一に設計されたBSフォルダ
ガイドラインは文書管理改善のための教科書
資料 行政文書の管理に関するガイドライン