個別フォルダのタイトルは,文書を探すとき,その文書の入っているフォルダを特定できる名称にすることが大切です。つまり,担当者が代わっても,その中に入っている文書が分かるような名称にします。具体的には,次の点に注意してタイトルの名称を考えてみましょう。
1. 分類・区分した範囲が的確に,極力具体的に示されているタイトルにします。
- 表現されたタイトルの示す範囲が明解なこと。
- 他のタイトルの示す範囲と重複していないこと。
- 「文書,一般文書,書類,関係,つづり,その他,雑,諸件,その1・その2」などは,内容が具体的に表現されていないのでタイトルに使わないこと。
2. 課の人であれば,だれでも分かる表現にします。
- 独善的,主観的なタイトルで,担当者,個人だけが分かるということではなく,組織として共通的・客観的理解ができる表現であること。
- 「客観的」であるという目安を,「異動してきた職員が素直に理解できるかどうか」に置くこと(システムの長続きに,大きな関係がある。)。
- 市民が主体的に文書を利用でき,むろん情報公開制度にも対応できるように,市民にも分かりやすいタイトルにすること。
3. それを読んだだけで,構成した分類のどの位置に属するか分かるようなタイトルにします。
- 検索するステップは,第1ガイド,第2ガイド,個別フォルダの順ですが,そのタイトルを読むだけで,どの範囲の項目であるかがはっきりと分かる表現にすること。
- 特に個別フォルダのタイトルは,
- 個別フォルダを引き出しから取り出して文書を使うので,タイトルを読んだだけで,元の第2ガイドの後ろに正しく戻せるように表現する。
- 執務室ではなく書庫で保存のときは,ガイドを使わないので,検索に当たってガイドのタイトルの助けを借りなくてもよいようにする。
などを考慮すること。個別フォルダのタイトルを読むだけで,第1ガイド,第2ガイドで構成した分類のどの項目に属するか理解できるタイトルにします(上で見たようにこのタイトルが,情報公開制度に対応する「目録」にもなるので,市民が読んでもすぐに分かるタイトルであることも求められます。)。
4. 余分な語句や長たらしい表現はしません。
フォルダのタイトルには,ときとして余計な語句があったり,長たらしく表現したりすることがありますが,望ましくありません(必要な語句は,多少は長くなっても書かなくてはなりません。)。
例えば:「○○関係文書つづり」というタイトについて再検討してみましょう。
- 「関係」「文書」「つづり」は,いずれも文書検索に役立つ用語ではありませんので,使いません。
- 問題は「○○」の方であって,内容をいかにうまく表現するかが大切です。
- 「無名第○○号橋橋梁第○期整備「その1工事」(樋管,護岸,排水路)図面」というタイトルは,担当者にとってはすべての語句が必要でしょうが,略称や,記号を使って短縮化を図ったり,検索しやすいように2段書きにするなど工夫します。
5. フォルダを分冊したときの表現に注意します。
- 同じタイトルのフォルダが保管単位に2冊以上ないこと。
- 分冊しても,単純に「○○(その1)」,「○○(その2)」にはしない。「個別フォルダ内の文書が厚く,しかも分冊できない場合にはどうするのですか。」。
なお,個別フォルダのタイトルの書き方については,「フォルダラベルの設計の仕方と書き方について説明してください。」を参照してください。